進学塾の思い出

進学塾というと我が家の家族が長男の“中学受験”という目標に向かって必死で走っていた時代を思い出します。実は先日スーパーで買い物をしていたら、関東の大学に行っている長男から携帯電話に着信がありました。月に一回生活費を振り込んだ時にお礼のメールが届く程度なのに、「直接電話がかかってくるなんて、ただ事ではないな。」と、悪い連絡ではないことを願って電話にでると・・・・・・「か、かあさん、もらえた!もらえた!」と息をはずませて興奮気味にしゃべり始めました。「もらえた?」とその前後のいきさつを知らない私は、一瞬何のことか全く分かりませんでした。そして「内定もらえたよ!」の言葉で、彼が就職試験を受けて運よく第一志望の会社に受かったのだということがわかりました。「えっ?でも今年4年生じゃない。就職は来年でしょう?」と聞くと、「かあさんは、最近の就職事情を何にも知らないんだね。どこの企業も4年になる前に内定を出すのが今では普通だよ。」と言われました。

進学塾に子供を入れて家族ぐるみで頑張っていた時代には、私は情報収集に関しては敏感すぎるくらいだったのに、高校受験、大学受験と子供がだんだん大きくなるにしたがって殆ど関わらなくなり、というより“関われなくなり”、高校受験以降はすべて子供と進学塾まかせという状態でやってきました。思えば、“自分の希望する仕事に就く”という“ある意味でのゴール”に向けて、中学受験、高校受験、大学受験と1つずつ山を越えてきた長男が、「入りたい会社に入れた」ということは十年来の夢がやっとかなったということで、私としてももっと感動的な一瞬であるはずなのに、「よかった、よかった。」とその感動は穏やかなものでした。おそらく、中学受験の時のように“いっしょにがんばった!”という感覚があればもっと、はじけるような感動があったのだろうと思います。

進学塾に行きながら長男が目指した第一志望の中学校は、筆記試験の合格者の中からさらに“くじ”に当たった子が合格できるというもので、実際に“くじ”に当たった瞬間には感動で手足ががくがく震えたほどでした。「家族ぐるみで一生懸命がんばったのが報われた」というのを実感して、それまでのたくさんの不安が、一気に“持ちきれないほどの喜び”へと変わったのでした。

進学塾への送り迎え、お弁当つくり、願掛け、縁起担ぎなど受験生を持つお母さんがやることは一通りやって、「どのお母さんよりも一生懸命やったら、子供にもいい結果が出るかもしれない・・・・・・」などと、どっちが受験生なのか分からないくらい必死でした。

進学塾で子供と一緒に頑張った思い出は10年経った今、私の一生の思い出としてキラキラ輝いています。